3番テーブル

ずっと欲しかった、ドラマ「お水の花道」「QUIZ」
「恋愛偏差値」のオリジナルサウンドトラックCDを購入した。

―昔々のそのまた昔。
時代はかつて、 ”インターネット老人会”と呼ばれる頃まで遡る。

当時、「ドラマレビューサイト」というのが流行っていた。
や、流行っていたかどうかは定かではないけれど、よく見かけた。
TVドラマが大好きな一般視聴者・通称「ドラマニア」と称する
ひとたちが、自らホームページを立ち上げ、作品毎に専用ページを作り、
自身の思うまま感想を綴るサイト、である。
今でいう、映画専門の Filmarks みたいなのが近いかも。
90年代~00年代前半にかけて大のドラマっ子だった私は、
数あるドラマレビューサイトの常連だった。

中でも好きだった、とある大手レビュアーのサイトでは、
ドラマの感想とは別に、サントラCDのレビューされていた。
「サウンドトラック」という言葉を初めて知ったきっかけでもある。

そのサイトは、膨大な数のドラマ感想に加え、おそらく、作品と同じ数だけ
CDを所有されていたのではと思うほどのサントラのレビュー数で、更に、
その方のドラマの好みや感想の傾向も私と似ていたのもあり、
当時の私は、過去の作品も、リアタイの作品のもかなり読み込んでいた。

サウンドトラックCD。

作中のBGMが1枚のCDになってるだなんて。
当時の私は目から鱗だった。

そこから、財前さんの作品に関しては、店頭で見つけては
「呼んでる!」と思い込み(笑) 買い集めつめることを決意。
とはいえ、当時はしがない貧乏学生ですから、とりあえず
DVD化されていない作品のものから集めよう!と、当時は
「神様のいたずら」「眠れぬ夜を抱いて」を買ったっけな。

「お水の花道」「QUIZ」「恋愛偏差値」のサントラも
ものすごく欲しくて、でも長いこと実店舗で見つけられず、
ネットで視聴もできたし、最終「ドラマを観ればいっか」ってなことで、
(この3作については、再放送も頻繁にされていたので。)
いつでも買えるか~なんて思っていたら、今日になっちゃった…。

特にコレクター気質ではないので、財前さんのご出演作品全ての
サントラを集めるつもりはないのだけど、このステイホーム期間中、
やっぱり、1つの「音楽」として好きだなぁと思ったものは、手元に
置いておいてもいいかな~なんて思い、十何年のときを経て遂に購入。
3作とも絶版だろなとあきらめてたのに、よく在庫があったな~!

で、早速聴いてるんですが、「お水の花道」のOSTがかなり良い!
作品の世界にぐいぐいと引き込んでくれる名アルバムだと思う!

…と前置きが長くなりましたが、
今回は「お水」のサントラの感想を記しておこうの巻!

- - -

M1:ナンバーワン ~メインテーマ~
「お水」といったらまずコレ!な、ザ・メインテーマ。
未だに色々なテレビ番組で流れてて、その度に反応するやつよね。
数年前にこのエレクトーン楽譜を買ったんですが、完走してない...。
だって、曲に感情移入しちゃって練習にならないんだもん…ぴえん

M2:マイボトル 
木管楽器とSt.bのpizzicatoが奏でる、ぬぼーっとした感じの曲。
劇中でこれが流れるときは、大概、明菜さんの調子が悪いとき…
― 例えば、目が覚めたら知らないホテルで "まっぱ" で寝てたとか、
不審な人物にストーキングされたりだとか、靴履き替えるの忘れて
歯医者さんを後にしたりだとか。なんとゆーピンポイント絶不調。笑

M3:恋心
まずタイトルが良い!
恋心というと、明菜さん → 石崎さんへのラブ♡ が真っ先に浮かぶけれど
そっちよりも、明菜さん → パラダイスに対しての想いを奏でた曲だと
勝手に思っている。あと、石崎さん → 明菜さん、も…!
最後の音の終わりかたが、お店のネオンが静かに消えるところを
つい思い浮かべてしまう感じが、非常に良い。うっとりする曲♡

M4:フラワーマーチ
M1のアレンジバージョン。とはいっても、限りなくM1に近く、
聞き比べてみて!って感じ。M1は、オーバーチュアだったのね。
スネアドラムが軽快にマーチ・テンポで刻んでいるその上で、
ストリングス隊が優雅に踊っているのが、この曲の醍醐味。
劇中では、問題が解決してめでたしめでたし!みたいな感じの、
主にラストシーンとかで使われてます。
単純に、「パラダイス、景気いいな~」ってなる。(笑)
もしオリジナルで「お水の花道プレイリスト」を作るとしたら、
この曲を一番最後にして、その後に主題歌「なにしてんの」を
持ってきたら超いい感じになると思う!!試そう!

M5:ダンディ
…とは、そう、仁ちゃんのこと♡ 我が愛しの仁ちゃん♡
仁ちゃんのテーマ、というか、"bar NEXT" 店内BGM。(笑)
劇中、このムーディーな曲調が余計に笑いを誘ってくれますが、
たまに真剣な場面にも出くわすじゃないですか。
そのときはめちゃくちゃ「どきっ」としちゃう。
効果の使い分けがお見事だなーと!
この曲も終わり方がとても好きだな。

M6:ロッカールーム
この曲、好き、めちゃくちゃ好き…!!
お水の花道(1作目)といえば、メインテーマとこの曲!って思うくらい。
寧ろ、この曲が聴きたいがためにCD買ったといってもいいぐらい好き。
(「新・お水」でも使われてはいるのだけど、シリアス具合が
 1作目の方と段違いなので、「新」では流れる回数少なめ?かと。)
個人的には、使われていた第9話・銀座編のシーンが一番印象的。
あと、4話の斉藤さんをわざと突き放して遠ざける場面もだね。
明菜さんが抱える問題の答えを中々見出せず悩んだりだとか、
内面的な部分が描かれるときに効果的に使われている気がする。
胸がきゅうっとなる曲。 

M7:ナンバーワン~パラダイス~ 
M6からのこれよ!
曲順に「ドラマのこと分かってる~!」感がある!
(分かってるも何も、公式オリジナルサウンドトラックです。笑)
M1、M4、M7と、この「ナンバーワン」シリーズ、
同じフレーズ・同じ楽器編成なのにも関わらず、
アレンジが違うだけで全然雰囲気が違うの、すごく楽しい。
この曲は、劇中ではいわば「お仕事平常運転ソング」。
「パラダイス目線」の曲かなって思う。
明菜さんが銀座で頑張っていたときにも使われてたかな。

M8:3番テーブル
またタイトルが秀逸!別名は「店内での様子(従業員目線)」
パラダイスの面々やお客様が「妙~な動き」をしているときの…(笑)
控室で、「ちょっとほら見てよ~3番テーブル」って、
ひそひそと話す女子たちの声が聞こえてくるやつ(^^)

M9:ライバル
…と聞いて、誰と誰を思い浮かべる?という。
明菜さんと五月ちゃんって、もちろん良きライバルでもあるけれど、
そっちより「同志」の要素の方が強くて。
大体店内に不穏な空気が流れるときの曲なので、
私の印象としては パラダイスVS夜汽車回 が強いです。
あと、「人のお客さん取らないでよ~!(3話)」とか。
みんなの台詞が聞こえてきちゃう~

M10:ナンバーワ ン ~ピアノソロ~
導入部でもう私の目には東京タワーが浮かぶの…!
皆がそれぞれ色んな思いを抱えて、頑張ってたり、ときには抱えきれず
疲れてしまったたり、なんで気が付けなかったのだろうと悔んだり、
何をやってんだぁって自分でも呆れちゃったり…みたいなね。
登場人物それぞれの人生にそっと寄り添ってくれる曲です。

M11:悲劇のコメディ 
10曲目までを聴き終えた時点で、「そろそろ終わりかな」と
思わせておいて、ここでこの曲。まだまだ終わりません!(笑)
実はこの曲(が流れる場面)、子供の頃、結構苦手だった...。
だって大体大事件が起きるときだし、みんな大ゲンカするし、
そこへ乗っかるように曲の効果絶大、オーバー気味なのよ。
もちろん狙ってのこと。だから「悲劇のコメディ」。
でも唯一、10話で明菜さんが「花園スタイル」の姿のままで
パラダイスへ乗り込むシーンで流れるところはとても好きです。
ここまで聴いてるともう、ドラマを見返したくなるマジック…

M12:バードランドの子守歌
「ロッカールーム」と同じくらい好きな曲です。
昔、タイトルを知ったとき、子守歌?って思ってたんですが。
有名なジャズ・スタンダードですね。
個人的な思い出話ですが、小学生の頃、エレクトーンのレッスンで
ジャズを習い始めたときにこの曲を選んだら、先生にえらく驚かれて。
A列車でいこう とか、sing sing sing、グレンミラーとかが弾きたいって
子が多いのに…こんな大人の曲良く知ってたね。一体どこで知ったの?と
言われ…そらそうだよな…。無論、お水の花道由来で選曲したのだけれど、
マセた子だと思われたくなくてそうとは言えなかった思い出…えへへ~

M13:ワンダフルレディ
「素敵な女性」、とはつまり、明菜さんのこと!
これ…
松嶋オーナーボイスで「眠らない街、六本木。その大通りを…」
脳内再生…あぁ…(号泣)
私の中では別名「六本木に愛された女」と呼んでます。
明菜さんが大好きな、六本木という街。パラダイスというお店。
明菜さんの帰る場所であり、パラダイスが明菜さんを必要とする場所。
亡き石崎さんも、東京タワーのもっともっと上のお空の上から、
そんな明菜さんをそっと、ずっと、見守ってくれているのです…
って、そうそう、石崎さん、最後、死んじゃうのよね…。
(そしてその2年後、生き返るのよね…)

M14:なにしてんの(ピアノソロ)
主題歌のピアノインストアレンジです。
ピアノ1本だけなのにとてもドラマチック。
サビ~終わりまでが特に何とも言えない切なさ。
最後にトラックされていますが、「ロッカールーム」と続けて聴くと、
よりドラマの流れに近い気がする。
やっぱり自分用にオリジナルプレイリスト作るか…!(マメ)

全14曲ありますが、一気に聴けてしまう。ほんとにあっという間!
そして14曲目からもう一度1曲目に戻ると、最初とはまた違う印象で
メインテーマが聴こえてくるのよね…
明菜さんの人生を覗いたあとに聴く、みたいな。
まさに最終回のラストのよう…涙

改めて言いますが、サントラめっちゃ良きです。
買って損はないと思うので、ファンの方はぜひ…!

あと、プラスαでより世界観を楽しみたいと思われたら、
一緒にサラ・マクラクランの「Angel」も聴きましょう(^^)

ちなみに私は、オープニングテーマ曲の「短いkissの長いストーリー」も
大好きで、この曲が収録されているlittle babyのアルバムも購入しました。
こちらもめっちゃガールズポップチューン爆発って感じでオススメです♪

めちゃくちゃお水の花道が好き、というだけの記事でした。はは。