拝啓、ハンサムウーマン様

「ボクらの時代」天海祐希さん×若村麻由美さん×加賀まりこさん対談回を見る。

放送当日からTwitterのTLが賑わっていて、なんだなんだと気になっていた。

賑わっていた理由は、若村さんが言われた「昔から、"綺麗になったね、良いことあった？"と聞かれるのが、男からでも、女からでも、大嫌いだった。恋人ができることだけが「良いこと」ではないし、男がいなくても綺麗になれるんです！」という発言である。（言い方はニュアンスです）

価値観の多様性が叫ばれる昨今、これまで、こうであって当たり前、と決めつけられてきたこと、世間の風潮に、いやいや、私はこうなんです！と、「ずっと言いたかった」というような話は、メディアやSNSで本当によく目にするようになりました。

私も実際に、決めつけで言われるのは嫌だし、「綺麗になったね〜何か良いことあった？」と男性に言われたら、「今時そういうのはセクハラですよ〜」と言い返してあしらっている。しかし、過去の自分の経験から言えば、周りの人にそう言われる時って、実際に恋をしていたり、彼氏ができたりと、異性への好意に大分浮かれているとき(笑)なので、私の場合はその質問はあながち間違ってもいない。男性からでも女性からでも、そう聞かれたら素直に受け取って、「いやぁ実はそうなんですよ〜今こんな人と付き合っててね〜」なんて惚気ていたような気がする。

なので、そう言われるのが不快だったと言われた若村さんや、視聴者の共感の声が多かったというのを目にし、それが不快だった女性たちというのは、恋愛経験の乏しい私と違い、人並みの恋愛を経験してきたりだとか、私よりももっと社会にまみれて様々な人と付き合いをしてきたのだろう…と圧倒的な差みたいなものを感じて、バズっているTwitterの中、私は自身の意見を呟くことができなった。

１つの発言に対し沢山人の共感が得られることがある一方で、そうでもないけどな、という声は中々届きにくい（し、逆に言い出しにくい空気が出来上がる）ものだとも思っているので、最近は、Twitterでrt数の多いものやバズってるツイートに対して「そうだそうだ」と、多数の意見に敢えて自分が乗っかることは控えるようになった。

しかし、バッサリ発言された若村さんは実にハンサムウーマン！なのでした。

話題は変わり、天海祐希さんのはなし。

これはTwitterで過去にも何度か書いてることなのだけど、私は、天海さんのいつも謙虚なお姿だったり、"いつだって正しい" と、どの世代からも支持されて当然だな、と思う程の真っ当な言動を見るたびに、過去にご自身が発言された、「本名の自分が客観的に天海祐希である私を見ていてちゃんとしろよと言っている」（ニュアンスです）という言葉を思い出します。

これまでもずっと、自分の行いが世間にどう見られるか、ということを常に先回りして考えて行動されてきたのだろう。一体何が彼女をそこまでさせるのだろう、と考えたとき、天海さんの一挙一動に何でもかんでも「素敵！」と言うのを控えるようになってしまった。もちろん、素敵なこと、好きなことは素直に言っていいと思うし、実際にそう言っているファンが大勢いたとして、そこに何か思うところがあるとかでは全くないのだけれど。そして実際に、天海さんの考え方が素敵であることにも間違いはないのだけれども。

ただ、私は何となく複雑な気持ちでずっと、いや、もう今はときどき、天海さんの事を見ているのでした。
なんていうのだろう、天海さんが「見られてる」と感じる「目」のうちの１人になりたくない、みたいなことなのです。

そんな中、この番組で、天海さんが「世間に自分の顔と名前を覚えてもらうということは、こういうことなんだ、というのが、もし有名になる前に分かっていたら、あなたはこの仕事に就いていましたか？、って最近色んな人に聞いてるんですが」と、若村さんと加賀さんに話題を振っておられた。

天海さんの答えはきっと「NO」なのかもしれない。
そんなことを質問される時点で、何か思うところがあるに違いないと思った。
本当はしんどいと思う時があっても、それを絶対に外に出せない、見せてはいけないと思っていらっしゃるのではないか…みたいな考えがよぎったところで、加賀さんが「尋常じゃないほどの目線を浴びてきたのよね。じゃないとそんなこと考えないわよ(私は考えたことなかった)」と返していらして。

あぁ、これこそ心理だ、よくぞ言ってくださいました、加賀まりこさん…！

いつもアネゴやアニキ的に言われてテレビに出ていらしてるけど、加賀さんのような年上の方と親密な交友があって、色々気にかけてもらったりして日々過ごしていらっしゃることが知れて、なんか勝手に、なに目線だよって感じですが、良かった～～～と思いました。もちろん、テレビでは見せないところで沢山の方と交友があるに決まっているけども。
今回のお話、きっと、加賀さんのような目上の先輩とご一緒されているからそこ触れられたような気がして。

ずーっと第一線で活躍されてきて、こんなにも、舞台でいうところの"0番"が似合う方はいない、そういうところが大好きだと思う一方で、世間の「目」に全力で応えようとしなくても構わないですから、ご自身のやりたいように歩いていってください。それでも、あなたが大好きな人々は、きっと追いかけていくのですからと、草葉の陰からこっそり思っている、ハンサムウーマンのファンなのでした。